愛着障害の人の嗜好

愛着障害の治療には心理療法

愛着障害の人が陥りやすい偏った嗜好

催眠

愛着障害の人のすべてではありませんが、一部の人は明らかに性的な問題を抱えやすいです。心理カウンセリングの場でも、こうした部分は告白されがたいので、研究が進んでいない部分もまだまだ多い状態です。嗜好の偏りはSM、性的倒錯などが多く、性同一性障害や同性愛を生み出すことも多いのです。性的マイノリティの人の中には愛着障害を抱えている人が多いと考えられています。脳内のホルモンのバランスから生まれる肉体的原因を元にした性同一性障害と愛着障害を元にした性同一性障害は区別しがたい上にどちらの要素も絡んでいることが多いのです。また、SM嗜好の人も、同様に愛着障害を背景にして嗜好の偏りが生まれていると考えられています。

性的嗜好に偏りがある人や同性愛は愛着障害を抱えている

愛着障害はマゾヒズムや露出症、性的放縦、性依存などの原因になります。愛着障害であったジャン・ジャック・ルソーの自伝『告白録』に、典型的な愛着障害の性的な歪みがみられます。同書においてルソーはマゾヒストである自分を告白しています。「厳とかまえた愛人の膝下にいて、その命に服し、何度も許しをこう、それが私には非常にこころよい楽しみであった」と記しています。ルソーは親の愛情を知らずに育った生い立ちを持っていました。ルソーの著書の中には教育論として有名な「エミール」がありますが、愛着障害を持つ人が書いた本として見れば、随所に歪んだ愛情観が見られることに気が付きます。マゾヒストになるか、サディストになるか、その境界線を決めるのは、愛着障害の中身であると考えられています。父性的愛情に欠乏すればMの傾向となり、母性的愛情に欠乏すればSの傾向になると考えられています。父性的愛情の欠乏に由来する愛着障害の女性はしばしば父親代わりの存在を求めて、はるかに年上の男性と恋愛、結婚することがあります。年上女性と結婚する男性の場合は母性的愛情に欠乏しているということになります。逆にずっと年下の異性に親のごとくに振舞って、自分が得たかった理想の親を自分で演じようとする人もいます。

パートナーシップの歪みの中に愛着障害がある

また、一種の主従関係的な人間関係の中に身を置くことで、心の中の欠乏感を満たす場合もあります。自分を指導してくれる「ご主人様」を持ちたい願望を持つようになったり、その逆に、自分が「ご主人様」になりたいという願望を持つようになります。このような歪みもすべては愛着障害によって生み出された嗜好の偏りなのです。ルソーの独白にその典型例がみられるように、このような主従関係に安住の地を求めるというのは、愛着障害のなせるワザなのです。健全な愛着が育まれた男女は、パートナーと自然なパートナーシップを築くことができます。その関係性は、必ず、対等であり、お互いの尊厳を尊重しあうものです。主従関係のような特殊な関係、あるいは、サドとマゾのような特殊な関係に、心の安全地帯を求めてしまうというのは、どこか歪んだ愛着形成が背景にあり、その特殊な関係性は、一種の心理療法のように、心の傷を癒しているといえるのです。自分を癒そうとしてこのような歪んだ愛情関係を持とうと無意識に行動してしまうということです。
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